坂の上の雲

第四回日清開戦
東郷平八郎大山巌山本権兵衛、そして小村寿太郎VS李鴻章
その時代の英雄といわれる人たちの話も面白かったのだが
今回一番心に残ったのはノボさんのことだ。
みなが戦争に浮かれ、新聞記者たちが従軍するなか、病気
でもんもんとする彼。陸先生に「俳句の発掘もあなたの戦で
すよ」と声をかけられるも、なかなか彼の自分の中での肯定
感や理想とのゆれにモンモンとする。
そんな折についに彼も従軍記者として大陸に渡ることが決まり
例のごとく大喜びするも、その戦場、いやもう終わった後の彼
の地で略奪され、日本人に憎悪の目を向ける清国住人と「兵
隊さんありがとう」の森本レオ氏が戦争の一面をノボさんに突
きつける。「あの老人*1はおこっとる、感謝などしておらん」
と言っても無駄。
これねえ、ノボさんの気もちだけでなく、レオ氏演じる兵隊さ
んの気持ちもわかるんだよね。俺たちは戦って勝った、ただ、
全く悪いことはしていないとは思い切れてない。平八郎さんみ
たいに「自分の決断を神のごとく信じる」なんて肝のすわった
ことなどできようもない。毎日のように清の人の嫌な目線を受
け続ける。それが味方であるところの新聞記者風情に突っ込ま
れたら威圧したくもなるさ。
森鴎外がノボさんに語った「文明開化押し売り論」ってのは未だに
大きい国がやっているよね。新聞記者への脅しなんてのもね。

*1:食べ物を取られ、レオに抗議をするが、シナ語のわからないノボさんには「ありがとうといっておるという」