坂の上の雲

2話分の感想を。
第6回日英同盟
やはり坂の上の雲は濃い。
それだけ追うのが大変で、書くことも
非常に迷うので、散漫になってしまう。
しかし、いつも思うのだ。
戦争ってなんでやるのかと。この国の
ため?そういう気概というのはこの話
では真之が軍艦をみて感じたこと、
そして小村寿太郎日英同盟へと
まい進する気持ち、あるいは、その真逆
ではあるが、伊藤博文の「強盗に銭を
やってでも、わが国を守るため」にロシアと
結ぼうという行動にもなる。
はたまた「大事を成したい」と忸怩たる思い
をしながら作品を命をかけて絞り出す子規
もなんらかの気概というものにあふれていよう。
しかし、所詮一般民などは、日英同盟万歳
と叫ぶに過ぎないのだ。そして変な戦争に
熱狂し、巻き込まれ、あげくの果てに自己
責任に追い込まれる。
変に大物に感化されても仕方がないのだ。
でも、熱い思いに動かされるというのはごく
自然な人間のもつ欲求なのだろうなあ。
とその時代に生きてたとして肌でそれが表現
できないであろう、自分を少し思ったりもした。
そんな中で、プライドが高いロシアの貴族であり
ながら、わけのわからん東洋人に自分の憧れ
の人の心を射とられ、それどころか柔道技で投
げられる失態を前回していた、ボリス君。
今回もしょっぱなからアリアズナ嬢と広瀬の
「朝日」をみながらのデート、いや、なんだろう、
デートという言葉では表現できない微妙な、しかし
いい感じの現場に何故か居合わせた彼。
「鉄砲でうってやるぜ、タケオ、ダスビダーニャ」と
思っていただろう、そうに違いない。
なのに結局未遂で終わる、悲しいボリス。
彼のどうしようもなさというのは、国際問題なんか
よりもよっぽど大きいし、人間らしい気がした。
気概なんてもつのはごく一握りのエリート様な
のだが、彼の思いというのは誰もが近い思いを
もちえ、それをなんらかの方法で解決していくも
のであろうから。
そこで彼はどうしたか。もっと、こズルイ手段をもち
いてアリアズナの心をと思ったらさにあらず。
きっぱり憧れのアリアズナをあきらめるとは…。
それどころか「東洋のサルに芸術なんかできない
わ、盗作乙」みたいな貴族たちを目の前に荒城の
月を演奏するは、「お互いの国が戦争になっても
祖国のために戦おう」などとカッコイイセリフは吐く
わ…やっぱり育ちというのはいいにしろ悪いにしろ
こういういさぎよさを持って表れるのだろう。
私のごとくヒネクレで小心ものの発想では、「コンサ
ートに誘っておいて広瀬をやみうちにするんだろ
うJK」にいくよなあ。。。
ただ、これはボリスに素直に拍手するしかあるまい。
そして広瀬とアリアズナが、また泣けるのだ。
アリアズナは国を捨ててでも広瀬についていくと
言っているのに、広瀬は…手紙書けよ。
第7回子規、逝く
苦しいときは「早く死なせてくれ」と祈り、生きている
時には句がどんどん浮かぶので「もっと生きさせてくれ」
なんて現金な、と子規は言う。
また彼はこうもいう、「ジュンさんの世界は広いが
わしの世界は深い」と。
子規はその俳句という才が故に真之にも「かけがえが
ない命だ」と言われたわけではない。ただ、才能も
何もないそう、那須の若くして軍人にならざるを得な
かった((かどうかはわからないが))少年たちほどの
希望も力も持っていない私に命は何かと問いかけ
られると子規のようにはいかないだろうな。
それはさておき、りーさんも肩の荷下りただろうな。
ジュンさんの嫁にはなれんのか…。