第六回イーライと13番目の懺悔

天の声(以下T):そろそろ男のにおいにも飽きてきたのでそろそろ
女性ボーカルといくか。
私(以下I):で、こちらを選んで見ました、やっぱりロックという
視点からすると中々60年代は少ないんですよね。女性ボーカルのバ
ンドというのももちろんありますけど。この人はシンガーソングラ
イターですね。ジョニ・ミッチェルとかジャッキー・デシャノンとか
優れた女性シンガーソングライターがいますが、あえてこの人に。
T:日本ではあまり受けなかったんだよな、当時。
I:なんででしょうね?黒っぽい感じが強いからかな?でも彼女の曲を
たくさんやってるフィフス・ディメンションなんかは受けていたんで
しょうけどねえ。このアルバムの中でもSweet BlindnessとかSotoned
Soul Picnicを彼らがやっていてヒットさせてますよね。
T:でもフィフス・ディメンションは
「ビートでジャンプ」か「輝く星座」
だからな

I:「ウェデイングベル・ブルース」も入れてくださいよ(泣)、なんか意
図的に彼女の曲が省かれているんじゃ。さらにこのタイトル曲である
Eli’s Comin’はスリー・ドッグ・ナイトがやってますし、ブラッド・
スエットアンドティアーズも彼女の曲を取り上げたりと彼女の斬新かつ
美しい世界がミュージシャンの間でもてはやされたんじゃないでしょう
か。
T:でもBS&Tは「スピニングホイール」だし
スリー・ドッグ・ナイトは「オールド・ファッション・
ラブソング」だろ!

I:なんで、そんなにローラを虐めるの?イーライがあなたに降りますよ!
T:いや、そんなつもりは。
I:ああ、あなたちゃんとローラ・ニーロ聞いてないでしょ?だからそう
やって否定に。
T:そ、そんなことはないぞ、うーん良い曲があるよな。
I:はい、このアルバムは68年に発売された彼女のセカンドで、当時まだ二
十歳!!それでこの迫力。ゴスペルやブルースといったものを都会的なセ
ンスでうまくまとめています。特に裏声に入る高音域は非常に印象的で、
彼女のそのボーカルとバックのソウル的なホーンの入れ方がたまりません。
タイトル曲のEli〜はオルガンから入り後半にテンションが上がっていくと
いう、メリハリの利いた名曲。Stpmed Soul PicnicやSweet Blindnessそし
てLuckieといった辺りはホーンがうまくからんだ、ソウル風味の曲。彼女の
曲はジャズ的な複雑なコードとゴスペル風なコーラス、そして曲の展開の速さ
とテンポの変化が魅力ですね。Emmieは静かな感じの入りがとても良い。
天さんちゃんと聞いてくださいね。このアルバム。
T:む、確かにもう一度きっちり聴いてみるぞ。
I:精進せいよ
T:なんだ、おまえ偉そうに(怒)!お仕置きだ
懺悔しろ!!