今日の一枚:Tommy/The Who

ロック・オペラ“トミー”

ロック・オペラ“トミー”

自閉症についての話を最近聞く機会があり、人との付き合いという点を
はじめとして改めて考えてみる時間があった。
人に触れられたくないというのを拒否する、触れて安心感を得る部分が
わかる私には想像することは多少はできんてもわかるというところにま
ではいかない孤独。
なんてことを考えてこのアルバムを久々に聞いてみた。
このアルバムはフーの4枚目の作品で、代表作のひとつでもある69年の
作品。ロックオペラとついているように、ストーリーが進んでいく
アルバムで、当時は2枚組。CDも昔は2枚でしたね。私も2枚の時代に
初めに買いました。
ストーリーは、ある原因で心の中に閉じこもってしまった少年トミー*1
虐待やらあやしげな治療に振り回されながらピンボールのチャンピオンに
なり、治療の末奇跡が起き自閉状態を抜け出し教祖にもちあげられそして
その後は…
という話。
物語の中身の考察(笑)は置いといて、この中で「見て、感じて、触れて
癒して」というのが内なる声として出てくる。
実際自閉傾向にあってもある点では触れてほしいというのは「身体が触れ
られる」という接触は拒絶してもあるらしいのだ。
内なるなにかを出すことができないもどかしさ、そしてその反応は逆にな
ってしまう苛立ち。
ここの辺りはわかる部分が私にはある。
だからこのアルバムはすごく何か揺さぶられるものがあるのだろう。
混沌の中に得体のしれない安らぎがここにはあるのだ。
それが何かとは今でもわからないが。
勇気づけられるというのとは違うが、時々無性にこの世界に
閉じこもりたくなる時がある。

*1:自閉症は天性のものと言われているらしいので、主人公トミーは自閉症ではないのだろうけど