方南町駅

支線、盲腸線というのはどうしてこう私の心をつかむのだろう。
短い路線というのは、なぜかそれだけでわくわくしてしまう。
たとえそれが日本人の苦痛の一つであろう、通勤電車であり、
地下鉄であったとしても。
ってわけで、今回紹介するのは、東京メトロ丸ノ内線の駅。
丸ノ内線はメトロの中で個人的には一番好きな路線であるが
丸ノ内線はいわゆる本線といえる、池袋−御茶ノ水−銀座−

その支線の終点がこの方南町駅である。
この通称方南支線は、ラッシュ時等は車庫の関係で、本線への
乗り入れの電車があるのだが、この駅の手前の中野富士見町
までであり、この駅には乗り入れ電車が来ないというのもまた
哀愁を誘うところでいい。存在感はあるはずなのに、何か忘れられ
ているそんなところがとても好きな駅だ。
終日3両編成のワンマン電車がこの一本のホームの左に右にと
止まる。ノンビリしている中の少しの慌しさ。これもまたいい。

上の写真の通り、1番出口側の改札からすぐにホームが見えるというのが
ミニターミナルという感じで、階段がなくホームしかも終端というのは小さな
駅なのに旅情を感じてしまうのだ。
この駅を出たら丁度環七通りと方南通りの交点で、交通量も多いのだが、
駅は地下鉄の入り口だけあり、何だか存在が薄く街の中に入り込んでいる。

しかしながら、方南通りの新宿側にはアーケードがあり、これが駅がある
というか街の賑わいを盛り上げている。

終点としてのホッとした何かというのは駅の中だけなのだが、
この非日常と日常のスイッチがめまぐるしく入るこの駅が何故か好きである。