今日の一枚「ムーディー・ブルース/To Our Children’s Children’s Children」

子どもたちの子どもたちの子どもたちへ

子どもたちの子どもたちの子どもたちへ

プログレのバンドとして語られるムーディー・ブ
ルースだがすさまじいテクニックのある演奏をす
るわけではなく、メロトロンの音と、オーケスト
レーションそして適当にポップな作風が特徴。
ファンタスティックなジャケットも注目である。
プログレに分類される要因は新生ムーディーズ*1
の1st「Days of Future Passed」におけるク
ラシックとロックの融合というアプローチがあっ
たからだろうが、他のプログレバンドと比べると
全体的にハードになりきれない中途半端な印象も
ある。ただし、それが牧歌的で良いという気も
するが。
さてこのアルバムはそのムーディーズの69年の
作品で宇宙旅行をテーマにしている。
当時アポロ11号が月面着陸するなど、社
会的にも宇宙への夢に注目が当たっていたところ
でもありタイムリーな作品だ。
インストの小曲「Beyond」は非常にインパクトと彼ら
らしいスピード感があり、古くさいメロトロンの音が
たまらない、スペースサイケデリックロック。このフ
レーズは次の曲、「Out And In」にも続いて登場
する。
彼らのお得意のメロウなナンバーである「Candle of
Life」は美しく、「Sun Is Still Shining」のラーガ的
な奇妙な感じは私の好みにあっている。
とはいえ、個人的にはこの時期のムーディーズのアル
バムの中ではもうひとつピンとこないかなぁ。

*1:元々はその名の通りR&Bのカバーを中心とするバンドで、当時のフロントマンはのちにポール・マッカートニーとウイングスを形成したデニー・レインだ。が、彼の脱退後のムーディーズが一般的なイメージだろう