江〜姫たちの戦国〜

第17回恋しくて
ダメ男って話が出てきたわけだ。
次女初が言うには、姉を売って秀吉に媚を売った
男を最低と言い放ったわけである。
一部の事象だけ取り上げるのであれば、彼女自身
だって、かたきの秀吉に媚を売って生きているわけ
である。その自分の境遇を少しも振り返らないのだ
ろうか。少なくともそれに対しての苦悩やら何やら
を置いて、「最低」と言えるのはやはりどこかおか
しい気がする。江だったか、龍子さんだったか
どっちかが一応申し訳程度に突っ込んではいたが
もうちょっと、初にも作家さんは愛情を注いで欲しい
と思う。
まあ、今大河の話は置いておいて、「ダメ」ってのは
どの基準での判断になるのだろう。否定的な言葉と
いうのは伝染しやすいわけで、ドラマなどでは当然
使いやすいわけだが、生身の人間の中で「ダメ」って
言葉が多用されるのはとても息苦しい。
自分の中でだって、簡単に「ダメ」って言葉を使っている。
自分にとっての「ダメ」は他人にとっては「ダメでない」場合
なんてしょっちゅうあるにもかかわらず、この言葉で強引に
拒絶をする。これは相手のことが見えていない、単純で
軽薄な言葉なんだなあと思う。そう思うのに、つい口に出る。
使っている。「ダメ」って言葉は何でこんなに苦しい言葉
なんだろう。