篤姫

第38回姑の心嫁の心
「わたくしはあなたのことしか考えられません」
いつもはお高く気高いあの宮様が…私の心に
その時走ったものはいったいなんだったのか。
思えばずっと気を使っているだけの毎日、公家
衆は言葉と裏腹に乱暴なことを申してくるし、
老中どもも内心は私を馬鹿にしている。
見よあの慶喜など。。
と愚痴をこぼそうにも私にそれは許されない。
何故なら私は、将軍、公方なのだ。
そして大奥そう、あそこでの仕事も待っているのだ。
宮様も勝手なことばかり申すし、母上*1は母上で
私を困らせるのに快感を感じているようだ。
しかし、今、宮様の肌が私の体に吸いついてくる
ああ、なんという…
「宮様、私はあなたをお守りいたします」
気づいたらこんな言葉を吐いていた。
「あなたのためなら危険な都でもどこでもいけます」
「ですが」

宮様の目に何かが…ここはもうひと押しだ
「大丈夫です、私は。お上に直接ご説得もうし
あげれば私の誠意は通じましょう」

宮様はもう完全にメロメロだ。
よーし今宵の公武合体は成功しそうだな、
おほん、公務を遂行いたさねばならぬ。
「母上も太鼓判を押してくれたしな」
「え」
あれ。何、エスパ−宮様、ち、違う、
おれ、今、声出しちゃった?ホッとしたからかな
「な・ん・で・す・っ・て」
まじい、こいつ、母上との仲をうたぐってたんだ、
そんな、僕だって母上にいじめられるのはい、
いや好きだけど、いや今はそんな場合じゃない。
「あの、ね、み、宮様」
「もう寝ます」
あ、そうですか。。。はぁ。
で、翌朝のお参り、何か火花が散ってるぞ、特に宮様
母上は相変わらずとぼけてるなあ、ああ、母上に
ののしられr(以下略)いかん「ご先祖様私にご加護を」
ふう、終わった、さあさわやかに江戸を出るか
「お待ち下さい」、宮様、え、母上もなにか持ってる。
「わたくしの愛をお受け取りになりますよね」
「う、うんもちろんですよ、宮様」う、隣から何かを感じる
やばいと俺になにかが告げる、早く逃げねば、あ、でも
母上にもお愛想しとかないと後で何されるかわからないな
「は、母上もなにかご用があるようで」
「わたくしは、イインデスノヨ」
な、まずい何かがまずい、
えーいい
「いやあお二人とも素晴らしいな、僕ちゃん幸せ!」
え、私を見てない、聞いてない。お呼びでない、しからば
「退散」
その後大奥ではとても恐ろしいことが起こったとさ

*1:ここだけの話実は愛人でもあるのだが