篤姫

第17回予期せぬ縁組
やあ、尚五郎だよ。今回はお殿様に呼び出されてついに
花のお江戸行きになったよ。微妙に年増に好かれているよう
だけど、これで離れられるしな。
さあ、江戸で存分に働くぞ、姫様も近くだし、え、西郷さん奥に
連れてってくれるって、そんなうれしいじゃ、え、ここから奥だけ?
つれないなあ。まあ、いいや、そのうち機会もあるだろうし、江戸で
新しいことが勉強できる。ああ、薩摩から抜け出せてよかった。
で、数ヶ月。江戸が楽しくてしょうがない、お、御殿様からお呼び出しだ
なにやら深刻そうだな。あ、わかった、きっと姫を俺に寝取られるかもと
警戒してるんだな。もう、そこはわかってますよ。うまくやるからさ、え、
へ、か、鹿児島へ帰れ?しかもなに、小松先生死んだの、で、養子に
入れと。え、そ、そんな馬鹿なあ。その上年増と結婚しろだと。そ
そんなあ。お礼に姫と会わせてやるっていいよ、もう、どうせ、俺は
なにもできないし、姫は「尚五郎さんと要れば友達として幸せよ、
あんたに男は感じないわ」って言われたし。あーあ。また暇な日々が
戻ってくるしなあ。