聚楽台閉店

上野の駅の前にあるレストラン聚楽台が今日閉店するのだそう。
上野というとこの赤いレンガ造りの建物というのはそう、すぐに私の中に
連想されるものであった。小さい頃、地下鉄日比谷線をおり、暗く色んな人のいる通路を
抜け、坂を上るとちょうどしのばず口前ガード下。
なんとなく怖い感じのした当時の上野駅周辺のイメージをパッと変えてくれるのが
ガードを抜けると当たる太陽の明るさとあのビルの強烈な赤。
目の前にドーンと現れる大きな字の看板
漢字は難しいので読めなかったが、ひらがなで「じゅらく」と書いてあるので
この漢字を読めるようになった。未だに書けといわれれば微妙だが(笑)
聚楽」というとやっぱりここなのだ、ノーマ・ジーンの偽者の「じゅらくよーん」よりもだ(笑)。
これまたその幼少のころ上野駅への近道という看板に西郷さんのとこから、「お店に入ら
ないのになんだか悪いな」という罪悪感をもちつつも、駆け下りた階段もまた深い思いと
共に残っているのだ。
電車でGOで上野につくときにこの聚楽台らしき建物を見た時に狂喜したのもやはり
上野=聚楽台が頭に一番インプットされていたからな様な気がする。
レストラン自体は、決して手の届かないあこがれの場所というのでもなく、お洒落ともいえなく、
正直「ここでうまいものが食べられる」という印象はあまりもったことがなく、実際この中で
食べたのは、一度、あるいは二度ぐらいで、しかもすごく美味しかったというイメージは失礼
ながらない
だが、上野のあの赤い建物は私にとっては動物園よりも西郷さんの銅像よりも遙かに重要であり
そうあの地平ホームと西洋風の駅舎と並んで*1上野の象徴的なものであった。
この風景はいつまでも続くと思っていた。
だが、時というのは流れる。そう終わりはいつか訪れる。あの赤い建物がなくなっても
それにいつのまにか慣れていってしまうのだろう。ただ、今は消え行くものにどうしても
センチメンタルな気持ちを持たざるをえない。さようなら、聚楽台

*1:鉄道ファンとしてはあれを超えるとまでは…言えない