今日の一枚「ソニー・クラーク/Cool Struttin’」

ジャケ買いという言葉がある。
ジャケットをみて、ビビっと来て音の内容も確かめず
に買ってしまう。
そう、美術系に強い、センスのある方ならごく自然に
できることかもしれない。
顧みるにこの私。そういったアートセンスはサル並み
小心者でジャケの良し悪しだけで思い切ってお金を
出せる度胸もない。
故にジャケ買いとは縁がないものと思っていた。
が、この足!(笑)。思わず手が伸びマシタ。
別にそういった類のフェチではないのだが、このジ
ャケはクール。罠にはまります。
余談だが某ジャズクラブと同じ名前の雑貨屋*1
この'LP'がダンボールに詰められて10枚ぐらい
ドーンと並べられていたのはビックラこいたなぁ(笑)
さて本題に戻すと、このアルバムは日本人のファンが
すごく多く、ジャズの定盤として紹介されているらし
いのだが*2実はアメリカでは知る人ぞ知る
というマイナーな存在であったらしい。
オープニングを飾るタイトル曲はソニー・クラーク
自身によるお洒落なミドルテンポのナンバー。
都会をキドッテ歩く女性が目に浮かぶよう。
テーマのトランペットとサックスは一発KOものだ。
ソニー・クラークのゆったりと流れるようなピアノ
もいいのだが、アート・ファーマーのトランペット
のソロパートの音色が個人的にはすごく印象に残る。
「Blue Minor」はやはり都会的なイメージの強い
作品、テーマはマイナーで渋い感じだが、途中で
突如ラテンチックに変わるところが妙味。
サックスのジャッキー・マクリーンのやや影のある
ソロが素晴らしい。これもソニー・クラークの作。
マイルス作の「Sippin’ At Bells」はいきなり
ドラムソロから入るテンポのあるナンバー。
跳ねるようなピアノが実にいい。
「Deep Night」はテーマがピアノで演奏されていて
他の曲と少し感じが違うがこれがとろけるように
美しい。題名のせいもあるかもしれないが、高層ビル
のラウンジから街を見下ろしてブランデーの入った
グラスをもち、タバコの煙をプハーと出したい気に
なる。
いや、私は酒もタバコも嗜まないので気分だけだが。
ジャズは難解というイメージがあるが、非常に全体的
に聞きやすい、好盤だと思う。
ジャケ買いして大成功といったところだが、まだ名盤
コレクションのあるようなところで見つけたような
半分「情報頼り」のジャケ買いしかできない私。
本当のジャケ買い道(笑)には中々到達できんなぁ。

*1:雑貨屋じゃなくて本屋らしい。本当は

*2:それもよく知らずに買ったけど、ジャズ売り場の目立つところにあったので手が伸びやすかったことは事実