信州旅行記②

2日目(13日)は早起きする、6:30っていつも寝てるな。。
温泉に入り、朝食後早めに出立。湯田中の奥にある、渋温泉の温泉街を
ちょっと覗く。

石畳が風情があるし、夜間瀬川の川沿いもいい。
散策の後、湯田中駅へ戻り、9:23のB特急に乗ろうとしたら、
2000系じゃない(泣)。昨日チェックしてなかったのも悪いがどうやら
検査の関係で、代理の3500系が来た。

さすがに特急料金は取らないということらしい。これはこれで珍しいので
まあいいのかな。
昨日は夜だったので車窓がほとんどみえなかったが、山岳路線のこの区間
急峻という感じではなくて、りんご畑が広がりのんびりしている。
このニセ特急に小布施まで乗車。
栗の里小布施は、今回の旅で訪れたかった所の一つ。
栗かの子が俺を呼んでいる(笑)。駅構内には「ながでん電車の広場」という
昔の車両が置いてあるところがあるのだが、屋根付きとはいえ、中は
ちょっと荒れている。秩父鉄道の三峰口の博物館と比べると見劣りするかな。
小布施駅の駅舎はナガデンらしくなく綺麗(笑)、これは街のイメージにあわせ
ているのだろう、観光的な和風作り。

さて小布施といえば、栗菓子。
「竹風堂」、「小布施堂」、「桜井甘精堂」のビッグ3*1がしのぎを
けずっていて、それらの本店がこの街にはある。駅を真っすぐいって国道403号
に出て、右に折れると3店舗が軒を連ねてある。いずれも和風の建物とな
っていて観光地小布施を盛り上げる。また、小布施は道が広く、歩道が
きっちりととってあり歩く人に優しい街である。

好天の中まず訪れたのは高井鴻山記念館。
初めて聞いた名前だが、この人小布施の豪商であり、若い頃から江戸やら
京都やらに遊学した知識人で、葛飾北斎をこの小布施に招いた人らしい。
また、昨日ちょっと触れた、佐久間象山とも親交があり、国のかたちを
巡って火鉢の前で争ったとか。。その火鉢もこの記念館においてありました。
記念館は、他にほとんど人がいなくてじっくり見られて良かった。
書も絵もあり、文化人だった彼の足跡を味わえるだけでなく、室内には
隠し階段や仕掛けがあったのも楽しかったが、なんといっても私をひきつけたのは
一絃琴という楽器。一本の絃が張られた和楽器で、両手*2爪を
つけて、爪弾く。さくらと荒城の月の楽譜がおいてあり、チャレンジ。
哀愁のある音色がなる。左はじの方の絃はうまく押さえられなかったな。
二階から見える庭も趣きがあり、ついついゆっくりと過ごす。
続いて、この記念館のすぐ近くにある北斎館に行く。富嶽三六景でも有名な
葛飾北斎の記念館で、前述の高井鴻山に招かれて小布施にきたころには
80歳を超えていたそうだ。
館内で上映されていたスライドによると、70歳までの絵はクズ*3だそうで、
それ以降にようやく絵というものがわかってきたそうで、評価された富嶽
三六景、浮世絵の世界だけにとどまらず、西洋の遠近法を用いたり、目に
みえるものだけでなく、目に見えないもの、物語の人物や宗教的なもの等を
取り入れていく芸術家のあくなき探究心というのをまざまざと感じた。
自分の絵に対して北斎自身が一番の批評家であり、一番新しい作品が
それを超えるためのライバルだという話はスゴイと同時に胃が痛く
なってきた。芸術ってのはそこまで、なんだよな。その晩年に小布施で
の生活の際に描かれた祭り屋台の天井に書かれた龍の絵、そして男波
女波のど迫力には圧倒された。
目に見えるものだけでなく見えないものをも表現する、感心しきりでした。
こちらの記念館は平日にもかかわらず結構賑わっていた。
そうこうしているうちにお昼すぎ。そこで北斎館前にある桜井甘精堂の
北斎亭」で栗おこわを食す。

幸せ!!おこわも美味しかったし、店員の
お姉さんも可愛かった(笑)のだが、そばスープに驚かされた。そばの粉の
入ったポタージュのようなもの、これがなんだかクセになった。
そして念願の栗かのこはお土産に。桜井甘精堂を選んだのは、長野の
おみやげで、何度かもらい、それに感動したからなのだが、3店の食べ比べも
やってみたかったなあ、時間がないのが残念。今度はじっくり小布施のみに
絞って来たいなあ、食を求めて。
食事後はおぶせミュージアムへ。こちらは中島千波という画家の絵を中心に
展示がしてある。桜の絵が多い。根尾の薄墨桜の絵が印象深いが、これ岐阜
だね。。奥の展示室の違う画家が書いた飯山の冬の絵も印象に残る、飯山には
行けなかったがなあ、行きたいね。
そこから屋台道と呼ばれている遊歩道を通って駅に戻る。いやあ小布施
もっといたかった。もっといたかったが後にせざるを得ないのはもうひとつ
絶対に行きたかったところがあるからだ。それは、次回に続く。

*1:だと思う

*2:押さえる左手にも

*3:こういう表現ではなかったがこのようなこと